孫はかわいいけれど、世話に生活の全てをささげるのはつらい―。孫育てをするシニアが増えるにつれて、そんな複雑な気持ちを表す“孫ブルー”という言葉が広がっている。ブルーにならず、楽しく孫育てするためのこつはあるのだろうか。
引用:中日新聞
今の時代、いろいろな立場に置かれた人のことを示す新しい言葉が増えてきていますが“孫ブルー”を初めて目にした時、とても複雑な感情を秘めた言葉だなぁと思いました。
孫ブルーという言葉が世に知れ渡ったきっかけは今夏「子や孫にしばられない生き方」という本を出版された河村都さんが著書内で使った言葉だそうです。
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おじいちゃん・おばあちゃんは孫が可愛くて目に入れても痛くなくて、孫が何をしても怒らなくて、孫の望む事は何でもしてやりたいし、朝から晩まで眺めていても飽きないよ、というのは綺麗事ではなかろうかと物議をかもしだしています。
祖父母の本音を洗い出してみるとこんな感じです。
小さな来客
別居している孫が遊びに来て、さぞかし楽しい1日を過ごされたのだろうと思いきや
「孫は来て良し、帰って良し」という話しを幾度か耳にしたことがあります。
孫とはいえ小さな来客。
家にいる間は滞在中のスペースの確保、食事、お遊び、着替え、危険から守るといった普段全くやっていないことをやらなければなりません。
目が離せないので息つく暇もありません。
子守りに時間を奪われる
「暇だったら子供見てて。」
よくある光景ですが、子供を預かっているとその間の時間は自由が利きません。
たまのことなら寛大な気持ちで子守りすることができても、頻繁にあるいは日常的になってくると次第に苦痛を覚えます。
子守りに時間を奪われるという感覚に陥ります。
体力は無い
わが子を産んだのは遥か昔のこと。
今は自分の事をやるだけでも精一杯なのに子守りをするだけの体力がなくなってきていることを実感します。
一日が終わるころにはヘトヘトになり孫が寝静まってくれるとホッとします。
散らかし放題
綺麗にしたリビングも孫が遊び倒したあとは台風一過の惨劇です。
一つ一つ片付けながらなんでアタシがこんな目に遭わなければならないんだろう、と思います。
女性特有の不定愁訴
最近は若くして祖母になられる方も多いです。
50代は更年期障害に悩まされている方も多く、心身ともに不安定です。
孫の前では情けない姿を見せられないとついつい頑張りすぎて余計に体調が悪くなる方もおられます。
不満を言えない事情
一言で言うなら子供や孫に嫌われたくない、ということです。
私さえ我慢すれば事は丸くおさまるからと、とにかくイエスマンに徹してしまいがちです。
挙げればキリのない孫ブルーの症状ですが、この症状に陥りがちな人はお孫さんとの接触時間が多く、とても優しくて完璧主義の方が多いように思います。
子や孫にどう思われるか気にして黙っているよりも、自分の思いを伝える事ができている方には不満が少ないようです。
「子や孫にしばられない生き方」の著者である河村都さんは二世帯同居されており、不満が重なり文句が出そうなところにルールを定めたそうです。
ルールを決めることこそが、このお宅が円満に暮らしていける秘訣なのだと思います。
孫ブルーとは決して孫の面倒見たくないという話しではなく、可愛い子や孫だからこそどうすれば皆が快適に過ごすことができるのだろうという考えからきた言葉だと思います。
今までは不満を考えることすらご法度のように感じていたシニア世代には、同じ考えの人がいるという事が心の支えのきっかけになるのではないでしょうか。
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