あなたのお子様が19歳以上23歳未満で、あなたの扶養家族に入っている場合、かなり税金が安くなります。
この年齢の4年間は、一般の扶養家族の控除額よりもはるかに大きく設定されています。
ところが、「大学生なので扶養家族にしていたらとんでもないことになってしまった」などという例が毎年多く見られます。
今回はその例に基づき、どんな点を注意したらよいかを簡単な言葉でお伝えしようと思います。
年末調整ってなに?
税金の仕組みの話しをすると、複雑で難しくなってしまいますので、ここでは一般的な言葉でピンポイントかつ超簡単にお伝えしますね。
例えば18歳の子と22歳の子を二人とも扶養家族に入れていた場合(所得税計算)
18歳の子に対しては38万円
22歳の子に対しては63万円
の控除があります。
控除というのは簡単に言えば、『その額を給料から引いて税金の計算しますよ』というものです。
給料が安ければ安いほど、納める税金の金額は安くなります。
したがって会社からお給料が支払われるサラリーマンの一般的な方法である年末調整では、扶養家族や生命保険料などの控除対象となるものを申告して、税金を決める基となる金額を安く抑えるようにします。
その作業が年末調整になります。
11月ごろに会社から渡される「令和〇年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」や「給与所得者の保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書」がありますよね。
その用紙がいわゆる税金を決定するために必要な申告書になります。
所得税と住民税の計算に使われますから、とても大切な申告になります。
扶養家族になれる条件
扶養控除を受ける為に必要な条件は、その対象者の1年間(1月1日~12月31日)までの合計所得が38万円以下となっています。
所得と給与は違いますが、扶養家族になれるのは、給与のみの単純な数字で言えば103万円以下の人ということです。
(※用紙に記入するとき所得の欄にお給料の金額をそのまま記入しないでください。こちらの計算方式で所得計算をした所得金額を記入します)
無収入であれば何も問題はありませんし、収入があったとしてもパートやアルバイトで扶養内で抑える働き方をしている方が扶養控除の対象者となります。
(年金受給者等はまた違った計算になります。)
親の知らぬところで子供はバリバリに稼いでいた
お子様がアルバイトをしていたとしたら、ちょっと気を付けてくださいね。
なぜなら、理由は簡単です。働きすぎて103万円を超えている場合があるからです。
お子様のアルバイトのお給料を知っていますか?
いちいち聞いたり伝えたりしませんよね。
お子様は学費の足しや車の購入、生活費などを得るために頑張っているかも知れません。
入れるだけシフトを入れて、寝る間も惜しんで働いているかも知れません。
その結果お給料が年間103万円を超えたら、扶養家族には入れられません。
知らずに年末調整してしまったらどうする?
年末調整の用紙を会社に提出するのは、事務作業の都合上11月末ごろが一般的です。
しかし、扶養家族は12月も働くとすると見込み所得を記入することになります。
その時点で103万円(所得38万円以下)は超えていないだろうと思い、扶養家族として記入したにもかかわらず、実際は105万円(所得38万円越え)だったというケースがあります。
また、そもそもお子様のお給料を全く知らず、180万円も稼いでいたというケースもあります。
あるいは、アルバイトをして結構貰っている事は知っているが『子供だから』という理由で名前を書いて申告している方もおられます。
そもそも下宿していてアルバイトをしていることすら知らなかったという場合もあります。
各家庭に様々な事情があるのはわかります。
しかし、税金の計算をする上でお子様の収入と扶養の関係が不一致する場面が出てきます。
税務課でわかってしまうんですよね。
そこで、一般的な方法としては、翌年の1月までに会社に修正申告するか、確定申告をします。そこで正しい申告をすれば何ら問題はありません。
放っておいたらどうなる?
ここからはちょっと裏話しになります。
所得税(年末調整)の申告で間違いがあるにもかかわらず修正しないと、一旦はそのままスルーされます。
しかし、6月に決定する住民税の計算において、その間違いは発覚します。
なぜなら、住民税の計算をする頃には、税務課にすべての給与情報が集まってきて一目瞭然になるからです。
その段階で申告内容に間違いがないか徹底的に調べ上げます。
扶養家族に入れた人が実は収入があってその金額が範囲から超えた場合には、その時点で扶養から外されます。
そして、所得税の計算もし直さなければなりませんが、その先は住所を置く管轄の市町村と管轄の税務署のやり取りになってきます。
目を丸くするような追徴課税が科せられた方もおられます。
年末調整の時に気を付ける事(扶養家族について)
まず扶養に入れたい人がアルバイトやパートをしているかどうかを確認してください。
そして、1年間のお給料の金額を聞いて下さい。
交通費が別途支給なら交通費以外のお給料で103万円までならOK
交通費込みの時給なら交通費込みのお給料で103万円までOK
そして大丈夫なら年末調整の扶養家族の欄にお名前を書いてください。
まとめ
今回は控除額が大きい19歳~23歳未満の扶養についてフォーカスを当ててみました。
お子様が就職すれば必然的に扶養から外すという事になるでしょうが、大学生のアルバイトを親御さんが知らずに扶養に入れていたというケースが非常に多く見受けられるからです。
お子様がアルバイトを頑張りすぎてしまった為に、ご自身の所得税や住民税も跳ね上がり、お子様自身も翌年に住民税を支払わなければならなくなってしまいます。
ぜひ今年の年末調整の時には、この年齢にかかわらず、扶養家族のお給料について今一度確認してみて下さいね。