花屋さんは母の日が近付くと、短期アルバイトの募集をかけます。
実際に昨年、生まれて初めて花屋さんで短期アルバイトをやってみたので、裏の裏まですべて公開してみようと思います。
母の日の花屋さん短期アルバイト
3月から4月にかけて、アルバイトの募集を見ていたら、花屋さんの短期アルバイト募集がやたら目に入ってきました。
フラワーアレンジを長きにわたって習い、インストラクターの資格も持っているので、アレンジを作ってお金がもらえるなんて最高!と思い、ワクワクしながら応募しました。
短期アルバイトの役目
花屋さんにとって母の日は1年の中で一番お花が売れる時期です。
この時期にすべてを掛けているといっても過言ではありません。
そして通常では考えられないぐらいのお客さんが短期間に殺到します。
猫の手も借りたいのです。
そんな時の人員の確保のために短期アルバイトを雇います。
普段はそれほどお客さんが殺到する事がないので、常勤を増やすことはしません。
私たちは猫の手なのです。
応募方法
ネットで募集を見付けたのですが、そのサイトから簡単に応募できました。
応募フォームに必要事項を書いて送信するだけです。あっけなかったのを覚えています。
数日したら電話連絡がきて、履歴書を送ることになりました。
履歴書を確認してもらったころ、再度連絡があり、採用が決定しました。
結局社員には一度も会わずにすべてが決まりました。
ちなみに職種がいくつかあって、私は「アレンジメント作成」に応募しました。
初日から本番
アレンジメント作成で応募したのにもかかわらず、私の配属先はデパート内の支店で、しかも販売です。
初めましてからまだ2時間しか経ってないのに、いきなり本番です。
何からやってよいやら未知の世界です。
とにかく何をすればいいのか聞きまくりでした。
その時、ちょっと嫌な予感がしました。
アレンジメント作らせてもらえるのかな・・・?と。
販売員
結局私は希望職種には就けず、販売要員としてデビューしました。
優雅に座りながらアレンジメントを作るお教室的なイメージとはかけ離れます。
しかし、もともと接客が好きだった事と、デパートで買い物する機会も非常に多く、どのように接したら良いかは自然とわかっていました。
つまり、買い手の気持ちがよくわかっていたという事です。
それが功を奏し「販売も悪くないな。」と思いました。
母の日の3日前ぐらいまでは配送希望が多い
遠く離れたお母さんにお花を贈りたいという事で、母の日の3日前ぐらいまでは予約受付や店頭の物を配送するといった作業が中心になります。
花キューピットやその店独自のアレンジメントをパンフレットから選んでもらい、宅配便の伝票を書いてもらいます。
お花にメッセージカードを付けることができるので、レジ台で記入してもらいます。
カードを間違えることなく添付したり、住所に間違いがないかなど、神経を使う作業でした。
重労働
母の日のプレゼントと言えば定番はカーネーションです。
そして、一番よく売れるのがカーネーションの鉢物です。
植木鉢に土が入っているものです。
フラワーアレンジメント(切り花が吸水スポンジに刺してあるもの)が一番かと思っていましたが、当日以外は日持ちのする鉢物が圧倒的に多かったです。
その鉢植えを追加補充したり特設ブースに運んだりする事が、かなりの重労働でした。
重い鉢を抱えて何往復もします。下っ端の仕事です。雑用係です。
遠慮なく指示が飛ぶので息つく暇もありません。言われたとおりにしないと、年下の社員からでも叱られます。
決して優雅でもなければ楽ではありません。
一日が終わると倒れるほど疲れました。
楽しい
しかし、お客さんがお花をプレゼントした時の事を想像しながら目をキラキラさせて選んでいる姿は、本当に癒されました。
自分が勧めたものを買ってもらい、綺麗に包装されたお花を渡したときにはホッとする気持ちとうれしい気持ちがこみ上げてきました。
お花を買いに来る人で怒っている人は一人もいません。
みんな嬉しそうです。
私もお花が好きなので、こんな素敵な仕事があるんだ、と思いました。
母の日当日は覚悟
5月の第二日曜は母の日の本番です。
この日の売り上げは1番です。つまり、メッチャ忙しいってことです。
当日用に大量投入されたアレンジメントは飛ぶように売れました。
私たちアルバイトに課せられたミッションは、とにかく人を寄せる事。
声が枯れるほど「いらっしゃいませ」「どうぞご覧ください」と一日中叫び続けます。
社員さんも必死です。負けてられません。自分の中でスイッチが入りました。
「社員を超す!」
今日がノルマ制だったら良かったのに、と思うほど売って売って売りまくりました。
花屋さん短期アルバイトの待遇と利点
花屋さんの時給は低め
全般的にそうですが花屋さんのバイト代は安い方だと思います。
私は時給850円でした。
アルバイトの募集要項に、「交通費は当社規定」と書いてある場合が多いですが、これは全額支給ではありません。
おそらく上限があります。
私は交通費に関しては完全に赤字でした。最初に聞かなかったのが悪かったのですが、後の祭りですよね。
目標があれば乗り切れる
同じようにアルバイトで入ってきた若い女の子は、何をして良いかわからずオロオロするばかりで、社員からも叱られて、2日で辞めてしまいました。
そういうのも織り込み済みなんでしょうね。来るもの拒まず、去る者追わずって感じでした。
私はアルバイトで稼いだお金でアメリカ旅行に行く!という明確な目標があったので、何があっても絶対辞めないと決めていました。
期間限定
辛くても、キツくても、とにかく母の日までという期間限定が心の支えでした。
というと、なんだか辞めたくて仕方なかったみたいに聞こえますが、実際は日が経つにつれて社員さんとも仲良くなり、仕事にも慣れてきて余裕もありました。
最終日には全精力を注いで燃え尽きましたが、本当に達成感で充ち溢れました。
終わってホッとする気持ちと、明日からはここに来ないんだという寂しさもありました。
売り上げアップを任され神経のピリピリしていた社員さんからも、お礼の言葉をいただいた時にはこのアルバイトをやって本当に良かったと思いました。
花屋さんにもよる
個人経営の花屋さん
私が働いたのは大手でシステム化された花屋さんでしたが、個人経営の花屋さんではまた勝手が違います。
個人経営の花屋さんがアルバイトを雇うのは、母の日の3日前ぐらいからが多いです。
花キューピットの作成です。
見本通りにアレンジメントを作り発送まで行います。
デパートほど戦々恐々とはしていないと思います。
お茶やお菓子を頂く時間も持ちつつ、アットホームな雰囲気でお仕事ができるところもあるそうです。
どんな職場を選ぶかは本人次第ですね。
まとめ
振り返ってみると、自分の持っているスキルは100%は生かせませんでしたが、お花の種類や育て方に詳しかったり、アレンジを作ったことがあったり、接客が得意な人が有利なのは間違いありません。
私はアレンジを作れるので、店頭に飾ってあるアレンジの花が傷んできたらそれを差し替える作業も任されました。
しかし、雇う側はそこまで求めていません。
とりあえず居てくれればいい的な部分もあります。雑用はいくらでもあるからです。
そう思えば誰にでもできる仕事です。
手っ取り早くお金を稼ぎたいなら、お花屋さんの短期アルバイトはオススメです。
以上、花屋さんの短期アルバイトの実態に迫るでした。