体の具合が悪くてクリニック(町のお医者さん)に行ったら、受け付けの人がとても感じ悪く嫌な思いをされたことはありませんか?
ただでさえ体調が悪いのに、そんな態度で対応されたらますます具合が悪くなりそうですよね。
医療事務員の対応の悪さは一体どんな理由からきているのか、包み隠さずお伝えしようと思います。
病院の受付が不愛想な理由
業務に集中しなくてはいけない
医療事務ははた目からみると簡単そうに見えますが、水面下ではやるべきことがとても多いです。
患者さんが来たら、診察券・保険証の確認をします。
保険証に変更があると、病院の収入に大きくかかわる請求業務ができなくなるので、毎月徹底して確認することが義務付けられています。
診察券も、家族の物や他院の物と間違えて持ってくる人がいます。
その場合はコンピューターで患者さんを検索して探し出し、カルテを準備しなければなりません。
また、初診や久しぶりの方に対してはカルテの更新など、来院した瞬間から多くの確認事項が待ち構えています。
診察が終わった後は、カルテの内容を間違えることなくコンピューターに入力しなくてはいけません。患者さんごとに内容が違うので時間がかかることがありますが、患者さんは会計を待っているので悠長にしていられません。時間との戦いです。
医療点数がわからない項目に対しては、厚さ10センチほどの点数表から一致するものを見つけ出さなくてはなりません。そうなってくるとベテランでも冷や汗が出ます。
それらが同時に複雑に重なってきます。
とにかく短時間で間違いを犯さないように必死なのです。
したがって、自分に余裕などない場合が多いです。
サービス業という意識はゼロ
近頃のクリニックでは、患者さんに笑顔で明るく接してくれるフレンドリーな医療機関も増えつつあります。こんなクリニックを見ると、院長先生の経営方針が垣間見えるような気がします。
横柄な態度では患者さんが付いてきてくれないからです。
しかし、未だに多くの医療機関では「接客」「サービス業」という意識はほとんど無いです。
つまり、患者さんに愛想をふりまく必要を感じていないという事です。
確かに病院は病気を診てもらう所であって、サービスを受ける場所ではありません。
しかし患者さん側からしてみれば、優しくしてほしい・気遣ってほしいと思うのは当たりまえの事です。
受け付けの心得は笑顔より保険証確認
病院の受け付けとして働くときに教えられるのは、患者さんが窓口に来たら保険証や診察券の提示を求め、必要事項は記入してもらい、来院の理由を聞き、必要に応じて熱を測ってもらい、あるいは検尿をうながし、カルテを確認して万全の状態で先生(お医者さん)に出すという一連の流れです。
常に真剣勝負といったところです。
ここに
「患者さんとの触れ合いを大切にし、笑顔で接する。」
「困ったことがないかこちらからお声がけをし要望に応える。」
など一般の販売店のような接遇の指導はほとんどありません。
個人的要素
接遇の指導が無いから愛想良くしなくてもいいというわけでは決してありません。
医療事務員の中にも優しくて親切な人はたくさんいます。
しかし職場内の人間関係が悪かったり、個人的に悩みがあったり、そもそもイライラしやすい人であったりといった事の精神的な部分が態度に出やすい人がいます。
いつも機嫌が悪そう、ムスッとしているといった見た目で相手に不快感を与える人もいます。
そんな人はどこで働いてもそんな感じなのかも知れません。
医療事務を目指す人は地味で内向的な人が多い
意外かもしれませんが医療事務員は地味でまじめで内向的な人が多いです。
事務員としては最適ですが、接客業としては向いていません。
病院の受け付けは「事務」という職種になるので仕方のないことですが、実際はほぼ接客業と言っても過言ではありません。
接客に向いてない人が受け付けをやるわけですから、接客のスキルを求めてもそもそも無理な部分があります。
人手不足
クリニックの中には人件費削減で、医療事務員をギリギリの人数で回しているところがあります。
これが意外と悪影響を及ぼします。
手数が足りないと、患者さんを待たせることに直結します。
中には待たされることに腹を立てる患者さんもいます。
余計に焦りが出てイッパイイッパイになってしまいます。
そうなってくると笑顔どころか、焦りからくる怒りの感情すら湧いてくることがあります。
問題点が出てきた場合も人数が多ければ解決も早い場合が多いです。
人手不足から生まれるものはネガティヴな要素ばかりです。
患者さんのわがまま
当たり前ですが病院は病気を患った人が来ます。
一部の方ですが体調が悪い時は多少わがままになることもあります。
また、病気によって精神的不安定な部分や、理不尽に怒ってしまうような症状がある場合もあります。
健康な人間にとって、患者さんの持つ苦しみのすべては理解できません。
そこをふまえての接遇は心がけていても、中には
「医療費が高いからまけろ。」
「検査なんてしたくなかったから取り消せ。」
「急いでいるから順番を早くしてくれ。」
などなど日常茶飯事的に言われ続けると、だんだん心が病んできて、それが受け付けで笑えない原因の一つになっている医療事務員もとても多いです。
苦労の割には給料が安い
一つ間違えば患者さんの病気をもらってしまうかもしれない危険な仕事であり、なおかつ専門的な知識を要求される職業にも拘らず、とても給料が安いのが医療事務員です。
看護師さんのように国家資格を持っているわけでもないので仕方のないことですが、仕事のモチベーションは上がりません。
良い待遇を受けている医療機関の職員は見ただけでわかるほどイキイキしています。
また職員も長続きしています。
給料は仕事に対する評価でもありますので、高ければそれに答えた仕事ぶりも発揮できるような気がします。
とにかく楽しくない
上記の要素が重なって、仕事に生きがいや楽しさを感じていない人は態度も楽しそうではありません。
病院という場所柄、楽しそうにするなんて不謹慎ということもあります。
自分を押し殺している間に能面のような顔になってしまっている人もいます。
弱者に対して上から目線
そして極めつけが病院(=医者)というカテゴリの中で働いているうちに、診てあげているという錯覚に陥り、患者さんより立場が上と勘違いしてしまっている医療事務員もいます。
患者さんが弱々しく怒れないのをいい事に、横柄な態度でふるまってしまうのです。
対策
上記のように、医療事務員が不愛想になってしまう理由を明らかにしたからといって、それが許されるわけではありません。
一方的に負の感情を押し付けられて、黙ってはいられませんよね。
態度を改めてほしい
医療事務員は感じ悪いけど、院長先生は大好きという患者さんは多いです。
その感じの悪い事務員をなんとかして欲しいですよね。
匿名の投書や院長への直談判などが思いつく手です。
しかし病院内では結束が強かったり、今辞めてもらうと困るといった理由から、クレームに対する処罰はほとんどないと言っていいでしょう。
何が一番効き目があるのかと言えば、本人に直接言う事です。
気まずいけれど、言われないといつまででも善悪の区別のつかないままの医療事務員になりかねません。
嫌だけど気にしない
程度の低い人、と割り切って気にしないことも一つの手です。
思い切って声をかけてみる
医療事務員は叩かれる事はあっても褒められることはまずありません。
「いつもヘアスタイルが可愛いですね。」
「指が綺麗ですね。」
「あなたの説明がわかりやすくて嬉しいです。」
など、その人を褒めてみてください。
メロメロになってしまうかもしれません。
まとめ
今回は態度の悪い医療事務員に焦点を置き、なぜそんな態度になってしまうのかその理由を挙げてみました。
こんな医療事務員の方ばかりではありません。
とても優しくて親切な方も多く、皆さん患者さんの事を思い頑張っています。
業務は専門的であり、時間との戦いで必死なんだ、という思いで見るとまた見方が変わってくるかもしれません。
以上、病院の受け付けが不愛想な10の理由でした。