痛くてつらい痔にお悩みの方も多いと思います。
数年前から日帰り・短時間で切らずに痔の治療ができるということで、ALTA(アルタ)療法=ジオン注が注目されています。
事実、私も3年前にジオン注の治療を受けました。
体験談も交えながら、この治療法のメリット・デメリットをお伝えしようと思います。
ALTA療法とはなに?
痔の患部に注射をして治す方法
ジオン注は内痔核(いぼ痔)に直接注射をして、腫れている部分を硬化させ、腫れないようにする治療です。
切る手術に比べると、体の負担も少なく、短時間で即効性があります。
注射の成分はなに?
ジオン注の有効成分は硫酸アルミニウムカリウムとタンニン酸です。
硫酸アルミニウムカリウムは出血や痔の脱出症状を改善します。
タンニン酸は硫酸アルミニウムカリウムの働きを調節します。
ALTA療法が有効な人
いぼ痔(内痔核)の人。
痔ろうや切れ痔は別の治療法になります。
ジオン注(痔核硬化療法)のメリット
切らない
肛門治療で切る手術をした場合に比べて、体への負担はとても軽いです。
短時間で終わる
医療機関にもよりますが、30分程度で終わるそうです。
私の場合は、大腸内視鏡検査も同時に行うことになっていて、その際に静脈麻酔で眠っていたので、実質何分かかったかわかりませんが、前後の時間の経過から短時間で終わったことは間違いないです。
仕事を長期に休まなくてもよい
切る手術に比べて復帰のタイミングはとても早いです。
私は念のため1泊2日の入院をしましたが、退院翌日を日曜日にしたので、会社を休んだのは2日でした。
すぐに効果が出る
初めての排便の時は怖かったですが、痔が出ることもなく、何年振りかに出血せず用を足せたことに感動しました。
生命保険の手術給付金が下りた
注射といえどもこの方法は痔核手術となります。
したがって病気で手術をすると手術給付金がもらえるタイプの生命保険に加入していれば下りる可能性があります。
私も給付金がもらえました。
ジオン注(痔核硬化療法)のデメリット
痛みはある
HPなどで痛みはほとんどないと謳っている所もありますが、実際は痛いです。
手術当日は入院だったので、夕食時に痛み止めが処方されました。それを飲んだらかなり痛みはやわらぎました。
二日目も立っていて肛門に圧力がかかると痛みと何とも言えない不快感があります。
4~5日間は変な痛みのようなものがあったと思います。
吐き気とめまい
これはジオン注と関係があるかわかりませんが、仕事に復帰(術後3日)した時は、行きたくないほど体調が悪かったです。
精神的なものだったかもしれませんが、そうなったのは事実です。
肛門が固くなった感じがわかる
内痔核の腫れを固まらせているので仕方無いのでしょうが、肛門が部分的に硬い部分があるのがわかりました。
また、その硬さによって肛門の開きも悪くなっていました。
汚い表現で申し訳ないですが、便が星形の絞り金から出したクリームのようにギザギザになっていました。
肛門の感覚が鈍った
これは気づくまでに少し時間がかかりました。
極端に言うと、ティッシュで肛門を触っても「ここ」っていう感覚が無いような気がします。
用足しの後はウエットティッシュで仕上げる
肛門の形が少し変わって入り組んだようになっていると思います。
トイレットペーパーではふき取り切れない部分に役立つのはウエットティッシュです。
赤ちゃんのおしりふきを使っています。
シャワートイレが壊れて、家族が使わないというから直さずにそのまま暖房便座として使っていますが、やっぱりシャワートイレ欲しいです。
再発もする
最近では硬い便を力を入れて出すと、やはり痔が腫れてしまいます。
再発です。
3年目にしてそのようになってきたので、ショックでした。
しかし、術前のように出っぱなしという事にはなっていません。
安静にしていれば直るか、市販のボラギノールでしのいでいます。
便を硬くしない努力が必要です。
お通じをよくするには酸化マグネシウムがとても役に立っています。
巷のデメリットの声
良いことより悪いことの方が表に出やすい
ジオン注を受けて失敗した人の例を見ていると、本当に気の毒な方がいらっしゃいます。
どんな手術でも、受ければほぼ100%に近いぐらい何らかのデメリットはあります。
それは、小さい傷跡から日常生活を奪うまで多岐にわたっています。
ジオン注で調べてみると、失敗例がひどすぎて気の毒としか言いようがありません。
しかし、「良かった!」という例はあまり大々的には上がってきていません。
みなさん、調子よくなればそれで満足なので、わざわざ報告する人も少ないのかもしれません。
治療を受けるにあたって不安があるなら、今一度考えなおしてみることも大切だと思います。
私は、デメリットもたくさんあったけど、メリットに助けられたので、そのことを思えばやって良かった派ですが、もし腕の悪い医者に当たっていたら今頃こんなブログを書いている場合ではないかもしれません。
失敗例を知らされていない医師もいる
万が一失敗して身体に不具合が出た場合、患者さんは違う病院に行くことが多いです。
町医者が持っている成功例のデータは施術数とは異なるかもしれません。
ジオン注は技術を要する難しい手術です。
実績と腕前をしっかり見極めて、リスクもちゃんと説明してくれる先生に巡り会えることが重要です。
内痔核治療法研究会に所属している医師
ALTA療法(ジオン注)は内痔核治療法研究会において適切な治療方法を学んだ医師から受けることをお勧めします。
こちらのホームページから各市町村のどの病院でALTA療法を受けることができるか調べることができます。
痔の治療でジオン注をご検討の方のご参考になれば幸いです。